子育て・教育


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「もっとしっかりしなさい」「あなたのためを思って言ってるんだから」「大丈夫だよ」「頑張って偉いね」――いずれも、親が子どもに言ってしまいがちな言葉である。しかし、このような、親が良かれと思って発した「一言」が、子どもの脳に深刻な悪影響を与えてしまう可能性があるという。子どもの認知力、自律力、思考力を伸ばすために、親はどのような言葉を使えばいいのだろうか?

 ここでは、文教大学教育学部の成田奈緒子教授と公認心理師の上岡勇二氏の共著『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)より一部を抜粋してお届けする。(全2回の1回目/2回目に続く)

◆◆◆

メイクをしてみたい——リカ(中1)のケース

 ある休日。友達と遊びに出かけるリカの顔に、ファンデーションと口紅が塗られていました。驚いた母親は「中学生なのに、お化粧なんかするんじゃありません! 大人になったらいくらでも化粧なんてできるんだから」とメイクを落とさせ、化粧品を没収。「子どものうちは素顔が一番きれいなんだから」とリカを諭しました。

 数日後——。友達と街を楽しそうに歩いているリカ。2人はファッションビルの化粧室に入って行きます。

 化粧室から出てきたリカと友達の顔には、メイクが施されていました。

「正論」を言っても反発されるだけ

中学生なのに、お化粧なんかするんじゃありません!」 

「大人になったらいくらでも化粧なんてできるんだから」 

子どものうちは素顔が一番きれいなんだから」

 リカの母親の言うことはどれも正しいことばかりです。

 子どもの肌はみずみずしくツヤツヤしています。大人の私たちは、そんな肌のきれいな時期はほんの少ししかないことを知っています。

 しかし、それはいわゆる「正論」です。正しいことは確かですが、正論を振りかざしても、何の解決ももたらしません。リカのように、隠れてこっそりお化粧をすることになるか、反抗するようになってしまうでしょう。

 今の子どもたちは、親世代が子どもだった頃とはメイクに対する意識が全く違いますネットにはメイク情報があふれ、街には子どものお小遣いでも買えるようなプチプラコスメがたくさん売られています。むしろ、興味を持つのは自然なことです。 

子どもの頃からメイクなんてすると不良になるんじゃないか」などと心配する親御さんが結構います。「メイクをすること」と「不良になること」は全く別の次元の話です。メイクは顔をきれいに見せる働きがありますが、不良になる働きを持ってはいません。ロジックとして破綻しています。「服装の乱れは心の乱れ」などといった表現も同様です。

 家庭の「軸」に、「メイクをしてはならない」という内容は入っていないはずです。評価するのではなく、今のその子のありのままを「認める」ことが大切です。

メイクは前頭葉の働きを活性化させる

「子育て科学アクシス」で学んでいたあるお母さんは、メイクがとても上手な娘に向かって、「お母さんアイラインめちゃくちゃ下手なんだよね~。どんなふうにやってるの? 何使ってるの?」と教えてもらう言葉がけをしました。娘はとても喜んで、あれこれ教えてくれたばかりでなく、その後は、自分のプチプラコスメを買うついでにお母さんにも同じ物を買ってきて「これを化粧水の前につけるとノリが違うよ! ユーチューバーが言ってた!」などと言うようになりました。

 もし、子どもが化粧をしているのを見つけたら、𠮟ったり、見て見ぬふりをしたりするのではなく、「お化粧してるの? すごく上手だね! お母さんにも教えて」などと声をかけましょう。そこから、親子のコミュニケーションが始まるのです。 

まずは否定をせずに聞いてあげる

 親子で会話を続けることで、子どもがなぜメイクをしたがっているのかがだんだん見えてくると思います。「純粋に自分をよりよく見せたいと思っている」「友達と一緒にメイクの研究をすることが楽しい」「ファッションも含めてアート的なことに興味関心がある」……理由がわかれば、「不良の始まり」などとは思わないはずです。

 もし子どもが、かなり心配に見える行動をするようになったとしても、それには必ず子どもなりの理由があるはずです。

 たとえば、ある日、子どもの髪が突然ピンク色になったとしても、親は動揺することなく(内心は動揺していたとしても)、「すごいね、その色。どんな基準で選んだの?」とまずは否定をせずに聞いてあげましょう。「夏休みだからちょっと試してみようと思って。学校が始まったら黒くするよ」などと子どもが返してきたら、「不良の始まり」ではないと安心できるはずです。

マイナスに思える事柄も、子どもの脳育てのチャンスになりうる

 そもそも、中学生メイクをすることは、そんなにいけないことなのでしょうか。どんな化粧品、どんな色味、どんなテクニックを使って自分をよく見せるかについて考えることは、前頭葉を活性化させます。脳育ての観点から見るとよいことばかりです。 

メイクは校則で禁止されているでしょ!」と𠮟る親御さんもいらっしゃいます。校則は家庭生活外のことなので、あくまで子どもが自分で判断して行動すべき事柄です。

 もし、メイクがバレて学校に呼び出されたなら、保護者として「申し訳ありません」と親が謝り、帰宅して「あなたの代わりに謝罪してきた」と伝えましょう。その後に子どもが「家族に迷惑がかかるのはよくないから、今度から学校にはメイクを落としていこう」と考えて行動すれば、「社会でうまくやる脳」、すなわち前頭葉がよく育ったということになりますよね。

 このように、どれほどマイナスに思える事柄も、子どもの脳育てのチャンスになりうることを、ぜひ覚えておいてください。

たった一言で子どもが不登校になることも…中学受験をめざす我が子に“親が絶対に言ってはいけない地雷フレーズ”〉へ続く

(成田 奈緒子,上岡 勇二/Webオリジナル(外部転載))

写真はイメージ ©iStock.com


(出典 news.nicovideo.jp)

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<このニュースへのネットの反応>

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