2023年12月


子供のお弁当作りに悩む親は多い。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「日本には『手作り弁当こそが愛情』という見えない規範が存在する。こうした風潮は、親たちを苦しめるだけでなく、食べる楽しみまで失わせている」という――。

■上戸彩さんを悩ませる子供のお弁当

年末年始の予定は、決まっただろうか。

家族が集まる機会の多い、この季節、せっかくだから、と、手作り料理に精を出す人も多いのかもしれない。

まとまった休みだけではなく、「手作りこそ良い」という圧力は、普段の生活のほうが強い。

とりわけ、子どもお弁当についてである。

子どもお弁当作りに頭を悩ませている親は少なくない。

栄養バランス、好き嫌い、分量だけではない。

インスタをはじめとするSNSで見栄えが良いような飾り付けまで求められる。

それが、いまのお弁当作りだからである。

女優の上戸彩さんは、今年2月に出演したテレビ番組「櫻井・有吉 THE夜会」(TBS系)で子どもお弁当作りについて「緊張で眠れなくないですか? 明日どうしようかと思って」「(学校の)先生に見られているんだよなぁというのも気にしている」と明かしている。

職業が女優であれ何であれ、2人の子どもを抱える親を不眠に追い込むほどのプレッシャーを与える理由は、どこにあるのか。

■「父親のお弁当作り」が注目を集めている

お弁当手作りでなくてはならない」

こうした空気は、昔からあったし、昔のほうが当たり前とされていたのかもしれない。

近年、この雰囲気が強まっているように感じる理由、とりわけ母親がそう感じる背景には、「父親」の活躍があるのではないか。

たとえば、ヒップホップグループTOKYO No.1 SOUL SETギタリスト渡辺俊美氏による『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』が挙げられる。

渡辺氏が離婚した後に、3年間、一人息子が高校に通う際のお弁当=461個を作り続け、それをTwitter(現X)に写真やレシピなどとともにアップした。

マガジンハウスから単行本に、翌年にはNHKでのドラマ、その6年後の2020年には井ノ原快彦氏の主演で映画化されている。

お弁当作りに慣れていくプロセスだけではなく、父親と息子の心あたたまる交流の記録でもあり、離婚を悲しいと感じさせず、また逆に、汗と涙の結晶といった押し付けがましさもない。

淡々としつつ、でも、愛情が込められている。飄々としたタッチが、多くの読者の共感を呼んだ。

こうした、一見すると軽い感じが、特に母親にとっての「圧」になっているのではないか。

■なぜ母親たちは「お弁父」を求めるのか

女性向けファッションライフスタイル雑誌『VERY』のウェブサイトは、今年4月、「パパが作る『お弁父』続けるための4カ条とは?」と題した記事を掲載した。

著名な料理家・平野レミ氏の息子であり「準食学士」を肩書きとする和田率さんが教える4つのコツを紹介している。「これさえあれば安心の鉄板コンビをおさえておく」をはじめとする4項目は、読む人によって難易度が違う。

注目したいのは、この記事が、主に女性を読者とするサイトに掲載されているところである。

「お弁父」という名付けからも、和田氏は「父親が作る」点に意義を見出している。お弁当は母親が作るもの、という固定観念を想定して、それをひっくり返そうとした。

そうであれば、わざわざ女性向けの記事が取り上げる必要はないし、ターゲットが異なる。「父」が作るのなら、「母」である女性には縁がないはずである。

女性に読まれると想定して載せたのは、女性にとってこそ「お弁父」が求められているからではないか。今もなお、いや、今は根強く、「お弁当」は母親が作るものとの思い込みがあるために、この記事が求められているのではないか。

そこには2つの理由がある。

■手軽なのに、子供から高く評価される

ひとつは、単純に、お弁当を作ってくれる「父」を求めているからである。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、家事の分担割合は、「妻80.6%、夫19.4%」と大きく開いている。

特に「炊事」の頻度は、「毎日・毎回」が妻86.5%に対して、夫はわずか6.6%である。しかも、「炊事をまったくしない」と答えた夫は50.4%に達する。夫の残り半数のうち、「月1~2回」が19.0%、「週に1~2回」が17.5%だから、90%近い夫は、ほぼ何も炊事をしていない、と言って良い。

個人的な事情でお恥ずかしいのだが、私は、料理が好きで炊事をほぼ担っており、世間とは正反対であるものの、それはここでは置こう。

世の中の多くの「妻」にとって、「お弁父」は、ほとんど夢の世界に近い。いつか、どこかで「お弁父」が現れたら少しは楽になるのかもしれない。儚い願いが、先にあげた記事の背景にある。

「お弁父」が女性誌で紹介される、もうひとつの理由は、母親のヒントになるからである。

普段は料理をほとんどしない割合が極めて高い父親が、お弁当を作る。そのときに参考になるように考えられているのが「お弁父」である。

つまり、難しくなく、でも、美味しく、そして、父親らしい「イタズラ心」を見せるためのものである。

手軽なのに、子どもから高く評価される。ここに女性雑誌が、すなわち「母」が「お弁父」を求める理由がある。

性別の違いではなく、できるだけ負担を軽くしつつ、でも、栄養バランスと見た目を保ちたい。欲張りかもしれないが、しかし、母親は、いつも、お弁当作りで要求されているのではないか。

■誰も「手作り」を要求していない

いま、「要求されているのではないか」と書いた。

では、「要求している」のは、誰か?

誰もいないのである。

昭和の頃のようにお姑さんが小言を並べるわけでもなければ、上戸彩さんが心配しているような学校の先生のチェックがあるわけでもない。

ほかにも、「夏場は食中毒の心配があります」と指摘する声もあり、「手作り」にも、当たり前とはいえデメリットがある。

パックンの芸名で知られるタレントパトリック・ハーラン氏は、「出勤の前に母親が子どもお弁当をつくらなければいけないという考え方は捨てていいよ。買ってきたお弁当で十分です」と断言している。

■「手作り=愛情」という見えない規範

それなのに、ここまで「お弁当幻想」が根強いのは、「手作り=愛情」とされる(見えない)規範があるからではないか。「コンビニで済ませる」との言い方に象徴されるような、一段低く劣ったものとして、購入する態度を見る傾向があるからではないか。

では、その規範や傾向は、なぜ、まだあるのか。

それは、ここまで見てきたような家事分担の著しいアンバランスと、ごく一部の「お弁父」の存在から来ている。

ほぼ全ての料理を妻が担っているからこそ、お弁当だけを作らないわけにはいかない、と強く思わざるを得ない。さらには、きわめて少数とはいえ、だからこそ目立つ「お弁父」に刺激されずにはいられない。

内側(家事負担)と、外側(キラキラした父親)、その2つの圧力にさらされれば、さらされるほど、手作り=愛情の思い込みは強くなる。

もちろん、手作りが愛情ではない、というわけでは、まったくない。

■「手作り幻想」から自由になるために

明治から平成までの料理番組を分析した名著『きょうも料理お料理番組と主婦葛藤の歴史』(山尾美香、原書房2004年)や、近年の「お母さん食堂」事件やポテサラ論争までを分析した近著『 「おふくろの味」幻想誰が郷愁の味をつくったのか』(湯澤規子、光文社新書、2023年)が解き明かすように、誰の、どんな料理であれ、気軽に楽しめば良いのであって、それ以上でもそれ以下でもない

食べるものは大切である。

だからといって、そこに縛られて「緊張で眠れなくないですか?」とまで悩ませる風潮は、食べる楽しみを失わせる。

手作りであろうとなかろうと、誰が作ったものであっても、美味しく、ありがたく、いただく。

雑誌『たくさんのふしぎ』(2024年1月号)は「食べる」と題して、農業史家の藤原辰史氏が、その「ふしぎ」を説いている。

「食べる」、それも、手作りのものを当たり前と思わずに、「ふしぎ」と思うところから、幻想を手放す手がかりが得られるに違いない。

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鈴木 洋仁(すずき・ひろひと)
神戸学院大学現代社会学部 准教授
1980年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送ドワンゴ、国際交流基金、東京大学等を経て現職。専門は、歴史社会学。著書に『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「平成」論』(青弓社)、『「三代目」スタディーズ 世代と系図から読む近代日本』(青弓社)など。共著(分担執筆)として、『運動としての大衆文化:協働・ファン・文化工作』(大塚英志編、水声社)、『「明治日本と革命中国」の思想史 近代東アジアにおける「知」とナショナリズムの相互還流』(楊際開、伊東貴之編著、ミネルヴァ書房)などがある。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yajimannbo


(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 xmizukax.jp)


私もお弁当作りの前日は緊張します。何日も前から何を入れようかどんなふうに可愛くしようかを考え、当日は早起きしてドキドキしながら作っています。先生やお友達に中身を見られても恥ずかしくないようにとか考えちゃいますね。

<このニュースへのネットの反応>

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お正月の楽しみの一つ、お年玉の相場は2023年も注目です。一般的には親戚や友達の子供には1000円から5000円が一般的だそう。大人も欲しいな~!

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画像はイメージ

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結婚式のご祝儀がきっかけで、友人の非常識さに気付き唖然とする人は少なくない。千葉県の40代後半女性(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収700万円)は、20歳のときに挙げた結婚式での衝撃エピソードを明かす。

「ある友人が、ご祝儀を4人で1つの祝儀袋に入れて持ってきた。その額は5万円。結婚式に参列しないならまだしも、披露宴にも出席し、引き出物まで持って帰った。親からは『非常識すぎる』とさんざん言われました」

友人たちは1人あたり1万2500円のご祝儀で、披露宴の高級料理を食べ、引き出物を持ち帰ったことになる。友人たちも当時は女性と同じ20歳前後の年齢で、社会経験が少なかったのだろうか。また女性は、友人のご祝儀についてどう思ったのか。詳細を聞くため、編集部は女性に取材を申し込んだ。(文:福岡ちはや)

ご祝儀を見た姉は「そんな非常識な人たちと友達なのもどうかと思う」

女性は「結婚式を挙げたのは25年ほど前のことです」と切り出し、ご祝儀事件の一部始終を語った。

結婚式が終わり、私はご祝儀を実家に預けて自分の家に帰りました。その翌日だったかな、実家に行くと、ご祝儀を計算した家族から『4人で連名のご祝儀がある。しかも5万円しか入っていない』と話をされました」

常識外れのご祝儀を見つけたとき、家族はかなり驚いたようだ。

「『え?えー!?』となったと言ってましたね……。姉に関しては『そんな非常識な人たちと友達なのもどうかと思う』とまで。父は『そんな話、見たことも聞いたこともないよ』と言って、亡くなるまで4人のことを『1万2500円のやつ』というあだ名で呼び続けました。思い出すと笑えてきます(笑)

家族がご祝儀の金額に眉をひそめたのには理由がある。母親から「結婚式で人の記憶に残るのは料理よ!」と口酸っぱく言われていた女性は、ゲストのために一番高いコース料理を選び、さらに追加料金を払って品数を増やしていたのだ。女性は、

「後日、友人から『結婚式のお料理おいしかったよ』と言われたときは、心の中で『そりゃそうだよ、1人2万円近くしたんだから!』と叫んでました(笑)

と裏話を明かした。

「とてもケチな子が1人いたので『まぁ、あり得るな』と……」

女性は友人たちとの関係について、「高校時代の同級生で全員女性です。学生時代から仲良しで、卒業後もよく一緒に遊んでいました」と語る。本当に仲が良かったからこそ、想定外のご祝儀に複雑な気持ちになったようだ。

「当時はみんな20歳、未婚の社会人だったこともあり、彼女たちは食事と引き出物で1人あたり3万円以上かかっていることを知らなかったのでしょう。とはいえ、今でもひどいなとは思いますね。とてもケチな子が1人いたので『まぁ、あり得るな』という感想でしたが、ほかの3人も同調するとは……悲しいような、さみしいような」

その後、女性と友人たちの間でご祝儀の話題が出ることはなかったが、女性は4人のうちの1人が結婚式を挙げるときに、話の流れで親友にこの一件を打ち明けたそうだ。

「友人へのご祝儀をいくらにするか、親友と相談していたんです。親友は私の話を聞いて『そうなの?へぇー』と驚き、無言になりました。私は『まぁでも同じことするわけにもいかないし』と言って、結局3万円のご祝儀を包みました。同じ額にしてやりたい気持ちもあったけど、新郎は事情を知らないし、私のあだ名が“1万2500円のやつ”になるのも嫌だったので」

「友人たちがしたことは、今考えても一般常識に欠けている」

大人の対応で、友人の結婚式では常識的なご祝儀を用意した女性。4人のうち3人は結婚式を挙げなかったそうだが、少なくとも結婚式を挙げた友人は自分の過ちに気が付いただろう。女性と4人の友人関係は今も続いており、個別の付き合いはないが同級生同士の集まりで顔を合わせることはよくあるという。

女性は「一般的に結婚式のご祝儀は、最低でも3万円だと思っています。友人たちがしたことは、今考えても一般常識に欠けていることです」と厳しい言葉を並べる。

「私自身は、会社の同僚、後輩、友人たちのお祝いごとやお悔やみごとでお金を出し渋ったことは今まで一度もないです。この歳になってみて、人のために使うお金が巡り巡って自分のもとに返ってくるのは本当だと実感しています。たしかにポンポンポーンって出すには高い金額かもしれないけど、相手にとっては一度しかないことがほとんどだし、あとで間違いに気付いても過ぎ去ったときはもう戻せません」

ただ、亡き父が友人たちに面白いあだ名をつけたことは、女性のなかで良い思い出になっているという。女性は最後に「いろいろと思い出せたことに感謝です。私は離婚しましたが幸せに生きているので、そう思えるのかもしれません」と語った。

※キャリコネニュースでは「マナー違反だと思ったこと」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/WRE0YD0N

結婚式のご祝儀が4人で合計5万円だった友人達 「非常識すぎる」と親もドン引き


(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 giftrooms.jp)


当時はネットで相場を調べたりもできなかったから仕方ないのかも…にしても私だったら今後の付き合いを考えるレベルでびっくりしますね。あなたはどう思いますか?

<このニュースへのネットの反応>

【友人の非常識な結婚式ご祝儀に驚愕!5万円を4人で分ける真相とは?】の続きを読む

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